カテゴリー:小説
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第13話:掛け違えたボタン
掛け違えたボタン 加藤は、佐々木との打ち合わせを終え、呉服の桐生本社を後にした。 加藤は、シニア・プロマネという肩書をもらってはいるものの正直、人間関係の調整は得意な方ではない。前田の歯に衣着せぬ物言いをうらやましく…詳細を見る -
第12話:靴に足を合わせろ
靴に足を合わせろ 翌日5月1日(水曜日)、部下の古田から要件定義ミーティングの顛末の報告を受けた販売部長の高橋は、すぐに、情報システム課長の佐々木を呼びつけた。 高橋は、これまで何度か記したように、ただの販売部長では…詳細を見る -
第11話:仕立て直しとカスタマイズ
仕立て直しとカスタマイズ 企画・要件定義フェーズがスタートした。予定されたスケジュールは、2019年4月から5月一杯である。5月31日(金曜日)が要件定義フェーズにおけるマイルストーン・レビューの日として設定された。 …詳細を見る -
第10話:丸投げの予感
第3章 波乱含みの要件定義 丸投げの予感 前田がリフレッシュルームから自席に戻ると、PCの画面には、キックオフと懇親会の御礼のメールに対する三上からの返信が届いていた。 返…詳細を見る -
第8話:キックオフミーティング
キックオフミーティング 高崎駅から東京方面に戻る高崎線の電車の中で加藤は、以前のプロジェクトのことを思い出していた。 加藤が苦汁を嘗めたデスマーチプロジェクトというのは、日比谷ソフトウェアに転職して8年ほど経った頃に…詳細を見る -
第7話:宙に浮いた責任
宙に浮いた責任 2019年4月1日(月曜日) 午後3時、加藤と前田は約束の時間の10分前には、呉服の桐生に到着していた。ロビーに設置してあるショーウィンドウに飾られている着物は、爽やかな水色で仕立てられていた。前田はそ…詳細を見る -
第6話:日比谷ソフトウェアの女性プロマネ
第2章 プロジェクトの立ち上げ 日比谷ソフトウェアの女性プロマネ 2019年3月29日(金曜日)午後1時、日比谷ソフトウェアの会議室。 昼休みを終えてデスクに戻ったのは、日比…詳細を見る -
第5話:交わされた請負契約
交わされた請負契約 プロジェクトのコストは、主に人件費だ。開発・テストフェーズは約5カ月を見込んでいる。開発チームは、延べ60人月を見込んでいた。1人月は、エンジニア1人が1日8時間、20日間の作業でこなせる仕事の量で…詳細を見る -
第4話:3社コンペの行方
3社コンペの行方 2018年10月下旬、佐々木のもとに、新宿電気の営業担当から「今回にコンペにあたって、事前にRFP(提案依頼書)を提出していただきたい」という要望が入っていた。 佐々木は、RFPやRFIの意味は知っ…詳細を見る