設立趣旨

「ビジネスシステムイニシアティブ」の活動はある危惧から始まりました。その危惧とは・・・企業が自らのビジネスを真剣に考えることなく、ITベンダーに過剰な依存をする体質のことです。

企業の情報システム構築は、年々新しい技術が生まれ1990年代からはインターネットの技術をベースにしたWeb時代を迎えるようになりました。情報システムが企業活動のインフラになってきた頃からシステム作りが複雑になり、徐々に企業ユーザーのITベンダーへの依存度が高まりました。それまで企業ユーザーの手元にあったビジネスデザインまでも依存するようになり、企業内IT人材の漸減とともに、業務知識とそのシステム化のノウハウまでもが流出する結果となっています。企業の情報システムは事業に熟知したユーザーが主体となって作らなければ、望ましいものは出来ません。企業ユーザーとITベンダーとの関係はパートナーシップを築くべきもので、過度に依存するものでも、まして丸投げするものではありません。

「ビジネスシステムイニシアティブ」とは、企業情報システムのユーザー自身が自らのビジネスの本質を考え、情報システム開発の主体性を取り戻そうという思いを込めた言葉です。かつてはユーザー主体で開発していた原点に帰った姿です。ユーザー自身が、自社の事業の仕組みを理解し、ビジネスを成功に導くために、主体的にITを利活用する姿です。

一度崩れたITベンダーとのパートナーシップを取り戻すことは容易ではありません。一部の企業ユーザーは過度なITベンダー依存の反省から、技術を自らの手に取り戻し内製する活動もみられ、それを支える手法や技術も提供されつつあります。企業ユーザーが主体性を発揮して情報システムを構築することは、ITベンダーのプロフェッショナルとしての自覚を促し、健全なIT産業成長のためにも重要であると考えています。

「ビジネスシステムイニシアティブ」の社会的認知を確立し、産業横断的に推進することを目的として、「特定非営利活動法人 ビジネスシステムイニシアティブ協会」は活動を続けます。

本事業の運営においては、(1)その設立趣旨から、広く支援を受けつつ中立的な団体であり続けること、(2)産業界・教育界・政府組織など多様な関係者との協働・信頼関係確立を前提として事業の透明性と説明責任を果たす契約責任主体であること、そして会員にとどまらず、不特定多数の利益の実現を積極的に追求する公益性が求められることから、特定非営利活動法人としての運営が妥当と考えています。

特定非営利活動法人 ビジネスシステムイニシアティブ協会
設立代表者 木内 里美

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