第81回例会報告:油野達也氏 「データ駆動型経営への招待」~ Data is New Oil ~

第81回例会報告

データ駆動型経営への招待 ~ Data is New Oil ~

油野氏写真

ビッグデータのブームが一段落した昨今、この国では「BIツールでグラフを書くこと」を「データ分析」だと錯覚している企業が多い。他方、グラフを眺めても解決しないことはわかっているが、面倒くさいことはそのうちAIがやってくれるようになると考えている人も多い。しかし、それも上手くいっていないのが現状だ。

真のデータ駆動型経営とはなにか? データをどう使えばいいのか? データ分析の会社を起業して3年半、多くのユーザーと取り組んできた経験をもとに具体的な成功例、失敗例を交えて「データ駆動型経営」実現のコツをお話しします。

データドリブン経営とは何か。

例えば、コインを投げて表が7回連続出続けた後の8回目は表か裏かと問われた時に、『裏』と考える人はデータドリブンな人と言えるらしい。しかし、8回目も表だろうと考えるのは「ギャンブラーの錯誤」と巷では言われている。本来であれば統計に基づいて考えなければならないが、実際問題として経営層が今までの経験に基づいて経営を行なうなら、先行き不安になり博打的な経営にならざるを得ない。よく考えると、上記のような会社は圧倒的に多いのかもしれない。例えば、昨年のキャンペーンが大当たりしたので今年も行なう、毎年行なっている年末バーゲンを今年も行なうという発想である。実はこの施策は8回目も表が出ると信じて施策を行なっていることになるを理解していないで行なう経営層が多いと油野氏は冗談を交えながら本気で力説していた。

仮に、データ分析でどの営業が売上が高いのかを分析した場合に、施策として「XX君、頑張れ!」ではデータ経営ではない。その通りだと思う。しかしながら現実は日本企業のデータ分析を実施している内容と施策は、このレベルであると油野氏は声を高ぶり説明をした。どんなに高価なBIツールを購入して見える化しても、データ分析をしておらず、適切な手を打つことも見つからず、手を打つことすらできていないのが実情である。ではどうしたらよいのか。その答えは因果関係を調査するべきである。顧客の規模や訪問時間等様々な属性を総合的に見た中で、因果関係を時間を掛けて粘り強く見つけ出すのが重要な作業と言える。

とは言え、BIツールで企業内では何をしているのだろうか。顧客属性の年齢、性別、住所…販売履歴、商品属性等の軸を切り替えて沢山のグラフを作成しているが、グラフで本質的な部分を見抜き、因果関係を見つけ出すことはできない。ではどうすればいいのか。

1.もっと強い相関は無いのかをあらゆる角度から考えて見つけ出す。ポイントは全ての関係を総当りで探し尽くしたのか。
2.たまたま見つけ出したのかもしれない。つまり、見せ掛けの回帰なのかもしれない。従って、1を行なうべきである。

重要なことは、持っているデータの全てを総当りで、たまたまかどうかとう情報を含めて因果関係になりそうな情報を探すことが需要であると話をまとめた。

坂本克也(BI-Style株式会社・BSIA運営委員)

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