BSIAシンポジウム2018レポート: 「働き方改革/テレワークを加速する ウェブ会議&セキュリティ」

働き方改革/テレワークを加速する ウェブ会議&セキュリティ

シスコシステムズ合同会社 大野 元嗣 氏
株式会社ディー・ディー・エス 石川 竜雄 氏

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「ビジネスのデジタル化が進んでおり、デジタル化により競争環境は激化しており、今後10年で激戦から淘汰された状態になると思われる」
シスコシステムズ合同会社 大野 元嗣 氏は冒頭からデジタル変革の必要性を語った。
「情報化の時代ではアイデアをネットワーク化して新しい事業や製品を作っていく必要があり、デジタル改革をフルスピードで行う必要がある。各業界のトップ10企業のうち4社は次の5年のうちにビジネスのデジタル化の波に淘汰され、72%のCEOはデジタル人材が確保できるかを心配している」
そんな状況の中で変革をおこすためにはチームワークが不可欠だという。個々のパフォーマンスを上げるのは限界がある。社内だけでなく社外も含めてチームワークパフォーマンスを上げる事が成長に必要だ。そのためにテクノロジーのサポートが必要となると大野氏は言う。
「自分のいる場所で、フレキシブルなチームで、適切なツールで、ペーパーレスで、成果報酬で、といった情報共有の促進、アイデアの具現化、社員、パートナーをつなげることが基礎となる。
シスコ社内でも取り組んでいる。シスコはさまざまな企業を買収してきた。さまざまな国や言語の人たちが働いているため、同じ会社でも違うカルチャーを持つ人たちとコラボレーションする必要がある。そのための多種多様な人材や技術を受け入れる土壌がある」
それを活かすしくみとして情報共有ツールが使われてきた。シスコとして目指すべき働き方として「Changing the way we work, live, play and learn」というビジョンがある。そのビジョンに向けて、生産性を上げていき成果を出すために、自分ができないことをどうコラボレーションするか。
取り組んできた成果としてGreat Place to Work Institute Japan (GPTW)調べの働きがいのある会社2018では第一位となった。成果主義の考え方、信頼を醸成するチームワークのしくみ、女性の活躍が受賞理由として挙げられる。
これらは企業風土、制度、オフィス・ITがあってこそできる働き方の変革だ。オフィスの考え方も従来とは異なり、「会社は人に会う場所」という位置づけでコラボレーションの場となっているという。そして会議もクラウド会議サービスでの生産性向上を自社で実現し、提案している。地方創生で地方の経営者との商談では、ビデオ会議で行うという。コストダウン、パフォーマンスの向上、生産性の向上を実感していただきたいという。

そして、Web会議のソリューションはいろいろとあるが、シスコの特徴は機器を選ばない点。誰でも使えるというのはセキュリティが心配だ。そこで、ディーティーエスのWeb会議のセキュリティについて石川 竜雄 氏より説明があった。

「社外から、社内からなどWeb会議はさまざまな環境から接続するため、暗号化で盗み聞ぎされないようにする、セキュリティコードで参加メンバーを制限する、IPアドレスを識別して該当しないものを排除するなど何重にもセキュリティを担保する必要がある」

パスワードの危険性については、リスト型攻撃によるなりすましの危険性により推奨されてきた定期変更が非推奨になってきているという。NISC(内閣サイバーセキュリティセンター)によると簡単なものになりがちで、破られやすくなるリスクが高まったからだ。 最近はパスワードのいらない認証が求められているという。その中にスマートフォンを使った認証がある。
ユーザーが拡大し裾野を広げるのとセキュリティは利益相反だが、働き方改革でテレワークのためにWeb会議を進めるのであれば、検討が必要となるだろう。

田口雅美(BSIA運営委員・株式会社キテラス)

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