第25回例会報告:日本農業新聞「農業専門紙の意地として ~『新市況システム2010』開発物語」

第25回例会報告

講師は、株式会社日本農業新聞 編集局長の永井孝介さん。

日本農業新聞(全国日刊35万部)は2010年4月に農畜産物市況をリードする「新市況システム2010」を稼働させた。
①野菜・果実・切り花の本紙創設の「日農平均価格」算出
②インターネット版「netアグリ市況」運営
――をするもので、農業専門紙の意地をかけてつくった。幸い社会的に評価され日本新聞協会技術委員会賞を受賞したが、開発は苦労の連続だった。
システムはあくまで手段。自分たちが何より「実現すべき姿は何か」(構想)、「どのように実現するのか」(手法)を考えることが肝要で、流通担当記者を夜集めて議論する日々が1年余続いた。全国の大手卸に毎日の市況データを無料提供してもらう交渉、さらに社内承認を得る折衝なども同時並行だった。 システム開発は外注し半年で完成させたが、パートナーのシステム会社には無理難題をふっかけてばかりだった。こちらはITの素人集団。しかも走りながら考えるから、しっかりとした開発計画書もなし。とにかくシステム会社の担当者を
呼んで会議を重ね、「夢」を伝え続けた。頼りになったのは当社のシステム担当者。いわば通訳者となり「夢」と「現実」の橋渡し役となった。今にして思うことは、苦労もまた楽しからずや。「いいシステムを作りたい」というお互いの情熱が融合し、成果となって結実したことに大きな充足感がある。

とのことでした。

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佳き通訳者であったシステム担当者の秋葉さん。

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