第40回例会報告: 小松製作所「日本型ハイブリッド経営の一例 情報技術と経営の融合」

第40回例会報告

講師は、株式会社小松製作所元社長・会長の安崎暁さん。

安崎さんは、社長になったとき二つのことをやろうと決めた。
一つがITを経営の武器にすること、もう一つが人材育成。
ITを経営の武器にするために、当時まだ珍しかったCIOというポジションを用意し、そこに、情報専門家ではなく利用者側の日米の工場長経験を持つ技術部門の指導者を据えた。そして、グローバルな開発生産システムを確立するため、自社100%保有の日本の情報システム子会社を売却し、コマツ独自システムの利用をやめて、国内外で普遍的に利用しやすい世界共通のSAP,BAANのシステムに変更した。また、世界中の大鉱山で活用されるマネージメントシステムを開発したアメリカのベンチャー・ビジネスを買収し、鉱山機械事業を単なる機械の販売からハード・ソフト一貫のシステム販売というビジネスモデルに変更した。さらに、コマツのブルトーザーが今世界のどこで動いているか瞬時にわかる仕組みも作り、経営にさまざまに役立てた。ITは、トップ経営者が、自らその利用方法を考えることにより、思い切った投資を素早く行うことができ、グローバル競争に勝利できる。

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